厚底ブーツと聞いて「New Rock(ニューロック)」を思い浮かべる人も多いはず。
圧倒的な存在感、金属装飾、本革の重厚なアッパー、インダストリアルな造形。
このブランドは、ただのファッションではなく、“生き方の一部”としてブーツを選ぶ人々に支持されてきました。
では、New Rockはどこから来て、どのようにして世界的なサブカルチャーブランドとなったのでしょうか?
この記事では、New Rockのルーツと進化の過程をたどりながら、スペイン発・反骨のブーツブランドの物語を紐解きます。
ルーツは1929年、スペイン・ムルシアの靴職人一家から
New Rockの原点は、1929年にスペイン・ムルシア地方で創業されたオルトゥニョ家の製靴工房にさかのぼります。
祖父の代から続くその工房は、上質なレザーと伝統的な手作業にこだわる靴づくりを続けてきました。
そして1978年、3代目にあたる家族がブランドを刷新し、誕生したのが「New Rock」。
クラシックな革靴の製法をベースにしながら、当時台頭していたロック/ゴシック/パンクカルチャーを取り入れた全く新しいブーツを世に送り出します。
サブカルチャーと共に歩んだブーツブランド
New Rockが真に注目され始めたのは、1990年代後半〜2000年代初頭。
ビジュアル系バンド、インダストリアル、ゴシックロリータ、サイバー系ファッションの拡大とともに、New Rockは“サブカルチャーを象徴するブーツ”として存在感を強めていきます。
- マリリン・マンソン
- ナイトウィッシュ
- ドイツのインダストリアルバンドたち
- そして、日本のV系・クラブキッズたちも
彼らはステージやMV、スナップでこぞってNew Rockを着用。
「見るからに異質」「ただ立っているだけで語る靴」──そんな評価が広まりました。
靴づくりに宿る“スペインの美意識”
New Rockの特徴は、スペイン人職人の“重みを楽しむ”美意識に根ざしています。
- 接着+縫製によるソールの強度
- 手作業による本革加工の丁寧さ
- 各モデルごとの“意匠としての機能性”
大量生産でもコピーでもない、“1足1足が語る靴”として、いまなおスペイン本社で製造されています。
ブランドとしての進化と現在
現在のNew Rockは、世界70カ国以上に展開されており、METALLIC/TANK/WALL/NEWMILIなど多彩なコレクションを展開しています。
また、ビーガン素材の導入、軽量ソール設計、カラーバリエーションの拡充などにより、より広い層に対応する進化も遂げています。
- 本格派ブーツ愛好者に向けた「METALLIC」
- 重厚厚底の象徴「TANK」
- 普段使いを想定した「WALL」シリーズ
- 軽量&カジュアルライン「120N」シリーズ
“伝統×革新”を両立し続けている、数少ない厚底ブランドです。
なぜNew Rockは支持され続けるのか?
- 自分のスタイルを“足元から語れる”から
- 音楽や思想とリンクする“表現の道具”だから
- 一度履けば、他には戻れない“履き心地の確かさ”があるから
New Rockはただの厚底ブーツではありません。
それは、反骨と美学の結晶であり、“自分自身を信じる”という意志の象徴でもあるのです。
まとめ|あなたの一足に、物語を。
New Rockのブーツには、90年以上続く靴職人の魂と、サブカルチャーの熱量が刻まれています。
その物語を、今度はあなたが受け継ぎ、履いて語る番かもしれません。
立つだけで伝わる靴。履くことで始まる物語。
New Rockは、あなたの足元から始まる“新しい章”を待っています。